こわくないおばけ

日記のようなもの

道迷い遭難

この本読みました。道に迷って遭難した人たちの記録。

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http://www.amazon.co.jp/dp/4635140067

どの事例もきっかけはちょっとしたルート選択のミス。登山の鉄則は「おかしいと思ったら引き返す」「迷ってしまったら決して沢には下らず、尾根を目指して登ること」ということなんだけど、早く下りたい気持ちで沢を下ってしまう人が多い。そして沢には崖や滝があることが多く、進めば進むほど行動不能に陥っていく。

遭難してしまうと登山経験豊富な人でも冷静な判断をするのは非常に難しく、あとで思い返せばどう考えても間違っていた行動をとってしまうことが多いそうだ。
日が暮れる前に早く下山しなくちゃという焦りが募り、滝から飛び降りて足の骨を折って動けなくなったとか。冬山で些細な判断ミスを重ねてしまった結果、凍傷になって最終的に手の指を何本か失うことになったり。
幻聴・幻覚に悩まされることもある。木々のざわめきが人の話し声に聞こえ「助けに来てくれた!」と勘違いしたり、突然目の前に電話ボックスが現れて「ここは迷いやすいから誰かが設置してくれたんだな」とか。冷静に考えたら到底ありえない。

またちがった意味で悲惨だったのが、数十人の大きなグループで遭難した事例の話。
捜索隊が出動して救助されたまではいいけど、遭難者の数が多いだけに、マスコミが大量に押し寄せて、実のところは大した遭難でもないのに大騒ぎになってしまい、リーダーの人は叩かれ炎上し、鬱になっちゃってしばらく引きこもり状態になったとか。

この事例は、千葉の山の話。千葉の山?千葉にそんな険しい山あったっけ…?意外に思ったが、千葉の山はとても迷いやすいらしい。そういえばマザー牧場や鋸山に行った時に高いところから見えたのは、同じような低い山がどこまでもずっと続いてる景色だった。確かにわからなくなりそうだなと思った。

自然のあるところが好きなので私も山にはよく行ったりするけど、登山目的では行ったことはほとんどない。もっぱらロープウェイで上がって山頂付近の整備された散策路を歩くとか。

そういえば、一回ちょっとだけ遭難しかけたことがあったのを思い出した。山奥に廃村があるというのを聞いてひとりで探検に出かけたとき、廃村の中を歩き回ってるうちに変な道に入ってしまってどんどん先に進んだら道がなくなってきて、やばいなと思って戻ろうとしたら、どっちに行けばいいのかわからなくなった。しばらくウロウロしてたら運よく元の道に出られたのでよかったけど、あのまま遭難してたら、山の装備も知識もゼロ、一人暮らしで行き先を誰にも伝えてなかったし、捜索もされずひっそり骨になっていたかも。山とは本当に遊びで入っちゃ行けないんだなと思った。

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