40年前の文鳥の飼い方
2016年現在から約40年前、昭和50年代は史上最大の文鳥ブームだった。文鳥の里、愛知県弥富市では46万羽が生産された年もあるほどだ。そんな時代の文鳥の飼い方の古本を入手した。
今よりもずっと文鳥を飼う人の多かった頃に出版された本。実際、この本は、文鳥のあらゆることを網羅している。病気やけがをしたときの処置まで詳細に書いてあるのは、おそらく今ほどちゃんと小鳥を診てくれる動物病院も多くなかったためだろう。一方で、今ではなかなか考えられない記述や表現、また文鳥展覧会などの当時の文化も見受けられました。おもしろいのでちょっと紹介。
まず、最初のページの見出しが「なぜ雀ではいけないのか?」書き出しから容赦なく斜め上をいく。
〈ブンチョウの魅力〉
文鳥は魅力いっぱい!
「白 桜ブンチョウは人をこわがらない」 頭に2羽ものせて、この人は文鳥に好かれたとてもよい飼い主だ。
〈選ぶ際に避けたほうがよい鳥〉
カタワ鳥…。今だったら炎上必須の言い回し。
〈ブンチョウをおそうもの〉
特にネコを近づけないようにしましょう。
体をひき裂かれて死亡します。
安全対策を万全に!(猫の顔)
〈骨折の手当て〉
骨折の手当ても自分でやる。
「元気のない時は薄めた酒を二、三滴与えるのもよい」
ほんとうでしょうか…。
〈風切り羽の切り方〉
飼い鳥の羽を切って飛べなくするのは昔は一般的だったようだけど、今はまずやらないと思う。かわいそうな時代。
〈ブンチョウのいる風景〉
「最近、銀行などでブンチョウを見かけることも多い」おおらかだ。他にも、会社の窓口や郵便局、自動車ショー、新規開店のスーパーの店頭などに置かれることもあったと。雰囲気がよくなるらしい。文鳥のいる銀行なんて用もなく行ってしまいそうだ。
〈趣味と実益〉
繁殖させて増やした文鳥の換金の仕方。小鳥店にヒナを持って行けば買い取ってくれたらしい。今そんな話聞いたことがない。
〈諸鳥展の光景〉
文鳥の品評会。ジュウシマツとかなら聞いたことあるけど、文鳥もコンテストに出られたのだ。
ネタ的におもしろいページばかり転載してしまったけれど、たいへん情報量の多い優秀な本だ。そしてなにより文鳥に対する愛の溢れている。それは現在本屋さんに並んでいる文鳥本も同じだろう。文鳥は今も昔も多くの人に愛されてる鳥なのだった。
〈もっと仲良くなる方法〉