こわくないおばけ

日記のようなもの

夜の海でタコを拾った話

以前、夜の海にタコを拾いに行ったことがある。

きっかけは当時の同僚が、「昔付き合っていた女の子が沖縄出身で、しばしば夜の海でタコを拾っていた」という話をしてくれたことだった。想像してみたその情景が妙に心に残り、本当に夜の海でタコが拾えるんだろうか?と、インターネットで調べてみたら、デイリーポータルかなにかで本当に夜の海でタコを拾いに行く記事を見つけた。どうやら、引き潮の時にちょっとマヌケなタコがぼんやりしすぎて潮溜まりなどに取り残されてしまうことがあるらしい。がぜん自分も夜の海でぼんやりしているタコを拾いたくなった。

仲の良かった別の同僚に「夜の海でタコを拾いに行きませんか」と声をかけてみたらおもしろがってついてきてくれたので、金物屋で軍手とゴム長靴、100均でアイスピックとS字フック(タコを引っ掛けて捕獲する用)を購入し、5月のとある金曜日の会社帰りに葉山の海岸へ行った。

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黒い波が轟く誰もいない夜の海。2時間くらい磯場をウロウロしたが、カニやエビ、小魚などは見かけるが肝心のタコのタの字も見つからず、時計はすでに0時を回ろうとしていた。疲労と眠気でなんとなくあきらめの雰囲気が漂う頃にそれは突如、ライトの光に照らされて闇の中に出現したのだった。それとはタコです。

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見つけた瞬間は歓声を上げてハイタッチなどしてしまったが、しばらく観察してると野生のタコは結構気味が悪かった。同僚は「これを最初に食べようと思った人は頭がおかしい」という感想を述べた。イイダコという種類の小型のタコのようで、ちょうど手のひらと同じくらいのサイズ。

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せっかくなので、というか元々そのつもりではあったけど、その場で調理し食べてみることにした。アイスピックでタコの中心部を貫き〆て、ぬめりを取るためゴシゴシと洗った。

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持参した携帯用カセットコンロでゆでダコにすることにした。

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塩を振って食べてみたが、少し生臭い塩味のタコの味がした。それ以上でも以下でもなかった。

食事としては全然足りてないので、そのあと近くのファミレスへ行ってハンバーグを食べたが、疲れていたので今までで最高においしいハンバーグだった。料理ってやっぱり素晴らしいなと思った。

朝まで時間があったので、とっておいたタコの内臓を釣り針につけて釣りをしてみたが何も釣れなかった。

早朝の浜辺でお湯を沸かして淹れたコーヒーはとてもおいしかった。

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タコを拾うだけなら、別に夜じゃなくてもよかったんだけど、夜の海でタコを拾うことに言葉にできないロマンがあった。ただ真夜中の海は真っ暗で大変危険なので十分に気をつけたほがよさそうだ。