こわくないおばけ

日記のようなもの

会津へ行った

東京発仙台行のやまびこ205号が宇都宮に差しかかったころ、同じ時刻の別の新幹線が大型の鳥に激突したとかで全線運転見合わせという車内アナウンスがあった。5年前の大雪の日に同じく会津へ行こうとして、大幅に遅延した新幹線で郡山までは来れたものの、そこから先すべての交通機関が運休していて、駅ビルでラーメンを食べただけでしょんぼり東京に帰ってきたことを思い出し、なんだか嫌な雰囲気になった。しかし今回はそんな予感も杞憂に終わり新幹線はすぐに復旧し、予定通り郡山で磐越西線へ乗り換えることができた。大型の鳥とはなんだったのか少し気になった(サギとかトビ?)。

車窓から猪苗代湖を見てみたかったけど、湖のすぐそばを走る区間があるわりに景色は木々に遮られ、湖は一度も見えなかった。まずは裏磐梯五色沼へ行くため、猪苗代駅で途中下車しバスに乗り換える。

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40分ほど山道を走るバスに揺られ、五色沼の入り口に到着。

五色沼の地図。片道4キロほどの「五色沼自然探勝路」を歩くことにした。

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五色沼とは磐梯山の噴火によってつくられた大小さまざまな湖沼群。水の色が沼によって青寄りだったり緑寄りだったり濃淡もそれぞれ微妙にちがう。下の写真の奥の山が磐梯山

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水質が強酸性の沼もあって、水に浸かった葉っぱは白く脱色されてしまう。隣の沼では鯉が泳いでいたのに、この沼は魚も住めないらしい。

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野生の猿が枝を食べていた。おいしい枝があるのだろうか。

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天気が良くて気持ちがよかった

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自然探勝路を抜けると桧原湖の湖畔にでた。おなかがすいたのでおみやげ屋兼食堂に入り、ご当地グルメとかいうソースカツ丼を頼んだ。少し混んでいたせいかなかなか来ない。1時間に1本しかない帰りのバスの15分前になってやっと出てきたので急いで食べた。

バスで猪苗代駅に戻り、再び電車に乗って会津若松駅に到着した。

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駅前に大きな赤べこの像が鎮座していた(ちゃんと首も振る)。会津のまちはいたるところに赤べこが置いてあって、どこのおみやげ屋にも4種類くらいのサイズ展開で必ず売っている。日本でいちばん売れている郷土玩具なのかもしれない。

駅前からまちなか周遊バスに乗り、飯盛山で下車する。飯盛山は悲劇の白虎隊で有名だが、どちらかというと国指定重要文化財の「さざえ堂」を一度見てみたかった。

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さざえ堂は江戸時代に建立された二重らせん構造のお堂で、登る人と降りる人がすれ違うことがない不思議な建物だ。ぐるぐる回って入り口とは違う出口から出てきた。

会津奥座敷、東山温泉に泊まった。

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最近読んだ小説に『人は温泉に入ると真っ当なことしか考えられなくなる』という一節があった。その小説はあまり面白くなくて半分読んだところでやめてしまったけど、その部分はすごく同意できるなと温泉に浸かりながら思った。働くために生きてるんじゃない、こうして旅行するために生きてるんだ。

翌日は、大内宿へ。会津若松駅から会津線で最寄りの湯野上温泉駅へ。

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そこからさらにタクシーで10分かけ到着した。

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江戸時代に会津と日光を結ぶ街道の宿場町だった集落で、今も茅葺屋根の民家が街道沿いに建ち並び当時の雰囲気を残している。

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建物も道路も整備されていてきれいだった。きれいすぎて逆にあまり印象に残らないほどだ。

イワナの塩焼きとそばを食べた。

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イワナは頭から尻尾まですべて食べられておいしかった。私が頼んだのは普通のそばだったけど、ここにはそばをねぎ一本で食べる「ねぎそば」というそばが名物らしかった。器に盛られたそばに長ねぎが一本突き刺さっていてビジュアル的にもインパクトがある。食べてる人を見たけど食べづらそうだった。

帰りのタクシーの運転手さんにねぎそばのことを聞いてみると、もともと集落の結婚式に食べるそばらしく、人口が少ないきびしい環境の村で、ちゃんと健康な子供が生まれるように、そばを女性、ねぎを男性に見立てたものというのを教えてもらった。明治以降、主要な交通ルートから外れたこの場所は長い間生活するのが大変だったそうだ。逆に開発が遅れて昔の風景が残ったというのもあるらしい。保存活動もあって今や年間80万人訪れる観光地になっている。

会津まで戻り帰宅の途へ。

飯盛山で買った起き上がり小法師と、大内宿で買った会津中津川土人形のいぬ。

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起き上がり小法師の赤い方は、倒すとなぜかそのまま寝てしまう。ちなみに会津赤べこの次に多かったのがこの起き上がり小法師。中津川土人形は泊まった東山温泉の裏の山に工房があるらしくちょっと行ってみたかった。平べったいナマズに乗った動物シリーズとかあってかわいかった。郷土玩具は干支で揃えてることが多いのでそういう時はいぬを買って帰ることにしてる。